こんにちは、凜です。
突然ですが、皆さんは『火の玉』を見たことがありますか?
現代科学では解明されない “ミステリアスな現象” は誰しも多少の興味があると思います。
ましてや、これが “神話”や、“脈々と語り継がれてきた伝承”と相まったりすれば、“歴史ミステリーロマン”ということになりますよね。
こんなことを言い出したら、物理学の権威、『大槻教授』に「それはプラズマだ!」と激しく怒られそうなんですが・・・
今回はそんな日本が誇るミステリー、『火の玉』に焦点を当ててみたいと思います。
日本には、昔から伝わる“怪奇でミステリアスなもの”がたくさんありますが、特に『火の玉』は、『人魂』や『狐火』といった “空飛ぶ炎体” として怪談や昔話、歌舞伎のや浮世絵など様々な大衆文化の中に登場します。
『江戸名所 王子 狐火』
※現代の私たちがイメージする『火の玉』は、丸めて吊るされた ”布” に、焼酎をしみ込ませて火をつけた歌舞伎の『焼酎火』という芸から来ているのだと思います。
『火の玉』は、人や動物が亡くなった時に、体から『魂』が抜けだしたものだ!ということから『人魂』と呼ばれたり、死人の怨念が宙を漂っているんだ!ということから『鬼火』などとも呼ばれています。
また『狐火』といって、松明のような灯りが “点いたり消えたり”、時には “行列になって移動する” ことから『狐の嫁入り』と遭遇したんだ!なんて囁かれることもあります。
中には少し科学的な話で、動物の骨の中にある『リン』が風雨に晒されることで、燃焼して「青白い炎に見えるから」なんて説も唱えられています。
でも、これらは科学的に解明もされていませんし、実際にこの目で見ようと思っても、なかなか出くわすことは難しいそうですよね。
だからといって、北欧や北極で観測される『オーロラ』、暑い日に現れる『蜃気楼』などの存在を疑う人はいません。だって実際に見えるんだもの!カメラにも映るし。
と、いうことで私は個人的に『火の玉』は絶対にいるんだと信じております。
さて、歌舞伎のや浮世絵といった江戸時代の大衆娯楽だけではなく、日本最古の国策歴史書である『日本書紀』にも、実は『火の玉』が描かれているのをご存じですか?
第12代『景行天皇』が「熊襲そむきて、朝貢せず!(九州南部の荒ぶる部族が、朝廷である我々に従おうとしないので怒っている!)」と言って、自ら九州を平定しようと遠征した際のお話です。天皇の征伐軍一行は、軍船に乗って海を進むわけですが、熊襲(現在の熊本県あたり)で闇夜の海で迷っている時に、遥か彼方の沿岸に、横一文字で松明の炎のような明かりが灯り、無事に一行を沿岸に導いたという『不知火伝説』があります。
熊本を『火の国』と呼ぶ由来は、“阿蘇山の火山” と、この “不知火” から来ているとも言われています。
この『不知火』は、遥か沖合に “まるで松明の炎が並んでいる” ように見えるという自然現象なのですが、(気象条件がよければ)実際に見ることができるんですよ!
それは、熊本県宇城市不知火町にある『永尾剣神社』の境内から、夏の夜中0時から3時にかけて、海上を数キロに渡って浮かぶ “あるはずのない炎の列” を見ることができるそうです。
この現象は、蜃気楼の一種だとされていますが、私個人としては、『人魂』や『鬼火』『狐火』、はたまた『火の国に誘う幽玄灯』の方がミステリアスで好きなんですけど・・・
是非皆さんも、一度、火の玉を探しに出掛けてみませんか?