日本神話を簡単にまとめると?①


こんにちは、凛です。

『日本神話』はとても壮大な物語です。登場する神様も、出来事もたくさん出てきます。
なので、お話の途中で迷子になるかもしれませんΣ(・ω・ノ)ノ!マヨッタ?

そんな時は、この『日本神話はこんなお話です』に戻ってきて、現在地を確認していただければと思います(*´ω`*)

『日本神話』はこんなお話です。

まずは、大見出しで「あらすじ」をながめてみましょう!

①この世の始まり
天地開闢てんちかいびゃく

②天地創造と神々の誕生
国生くにうみ』神話
神生かみうみ』神話

②アマテラスとスサノオの姉弟神のやりとり
『スサノオのみそぎ』『アマテラス誕生』
『スサノオの誓約うけい』『宗像三女神むなかたさんじょしん誕生』
岩戸隠いわどかくれ』『スサノオ追放(神逐かんやらい)』
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・日本神話を簡単にまとめると?②

④出雲での出来事
『昼と夜の決別』(アマテラスと月読命ツクヨミ
八岐大蛇ヤマタノオロチ(スサノオと櫛名田クシナダ比売ヒメ)
因幡いなば白兎しろうさぎ(八十神やそがみとオオムナチ)
大国主オオクニヌシ(セスリ姫と義父スサノオ)
大国主オオクニヌシの国造り』(小名毘古那スクナヒコナ大物主オオモノヌシ)

⑤(先住)国津神と(後侵)天津神の力比べ
国譲くにゆずり』神話
天若日子あめのわかひこ(天邪鬼あまのじゃくと返り矢)
『力比べの決着』(建御雷神たけ-ミカズチ神事代主ことしろぬし)

凛のホッと♡一息コラム『神話と大社と私』
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・日本神話を簡単にまとめると?③

⑥支配神たちの入国
天孫降臨てんそんこうりん(ニニギと御一行様)
猿田彦さるたひこ
木花佐久夜毘売このはなさくやひめ(怒りの炎中出産)

⑦海と山の兄弟喧嘩と仲直り
海幸彦うみさちひこ』と『山幸彦やまさちひこ
『竜宮城』から戻る
豊玉姫とよたまひめ(神倭伊波礼毘古命カム-ヤマト-イワレビコの誕生)

現人神あらひとがみの活躍
~初期天皇たちの事績じせき
神武東征じんむとうせい(遥か東、うまし国へ)
布都御魂ふつのみたま』と『八咫烏やたがらす

凛のホッと♡一息コラム『日本神話の七不思議』
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・日本神話を簡単にまとめると?④
この章は「日本神話」に記された「歴代天皇」を紹介しています。

『初代:神武じんむ天皇』~『欠史八代けっしはちだい
『神々のたたり』(10)崇神すじん天皇
『倭比売命、アマテラスを導く』(11)垂仁すいにん天皇
日本武尊ヤマトタケルの偉業』[九州・出雲編](12)景行けいこう天皇
日本武尊ヤマトタケルの偉業』[東国遠征編] (12)景行けいこう天皇
律令国家りつりょうこっかいしずえを作る』(13)成務せいむ天皇
『住吉のお告つげと朝鮮遠征①』(14)仲哀ちゅうあい天皇
神功皇后じんぐうこうごう(朝鮮遠征②/鎮懐石ちんかいせき) (14)仲哀ちゅうあい
胎中たいちゅう天皇』(15)応神おうじん天皇
聖帝ひじりみかどと呼ばれた天皇』(16)仁徳にんとく天皇
『黒姫と三女神さんじょしんたたり』(17)履中りちゅう天皇
『天皇だって歯がいのち』(18)反正はんぜい天皇
衣通姫そとおりひめ伝説』(19)允恭いんぎょう天皇
血塗ちぬられた運命』(20)安康あんこう天皇
『暴君』(21)雄略ゆうりゃく天皇
『一括!一言主ひとことぬし(21)雄略ゆうりゃく天皇
『アルビノ』(22)清寧せいねい天皇
『愛され天皇』(23)顕宗けんぞう天皇/(24)仁賢じんけん天皇
『悪逆非道か冤罪えんざいか』(25)武烈ぶれつ天皇
『血統が途切れぬように』
……(26)継体けいたい天皇/(27)安閑あんかん天皇/(28)宣化せんか天皇
仏教公伝ぶっきょうこうでんに揺らぐ』(29)欽明きんめい天皇
神道しんとうと仏教のせめぎ合いと決着』
……(30)敏達びだつ天皇/(31)用明ようめい天皇/(32)崇峻すしゅん天皇
『飛鳥時代へ』(33)推古すいこ天皇/(34)舒明じょめい天皇
宮中きゅうちゅうクーデター(大化たいか改新かいしん)』
……(35)皇極こうぎょく天皇/(36)孝徳こうとく天皇
重祚ちょうそ、そして狂心たぶれごころみぞ(37)斉明さいめい天皇
白村江はくすきのえの大敗・防人さきもりの歌』(38)天智てんち天皇
『平安時代への足掛かり』
……(39)弘文こうぶん天皇/(40)天武てんむ天皇/(41)持統じとう天皇

凛のホッと♡一息コラム『天皇の名前』
凛のホッと♡一息コラム『伊勢へ七度、熊野へ三度♪』
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日本神話を簡単にまとめると?⑤Theコラム

凛のホッと♡一息コラム『あの神は今・・・』
凛のホッと♡一息コラム『日本神話の七不思議②』
凛のホッと♡一息コラム『ダmen’s 選手権』
『イケmen’s グランプリ』

『日本神話 ショート・ショート』

凛のトリビアPOINT!

いきなり話が反れるのですが、夏目漱石なつめそうせきの小説に『吾輩わがはいは猫である』という有名な作品がありますよね。
皆さんはこの話の内容を知っていますか?多分あまりご存じない方もいるかもしれません。
でも、この小説の最初の言葉は誰でも知っています。
そう、『吾輩わがはいは猫である。名前はまだない』ですよね。あまりにも有名な一節いっせつです。
内容は知らなくても、たったの一節で、作品の楽しそうな雰囲気が伝わってきませんか?

日本書紀にほんしょき』も同じように、美しく、語感ごかんの良い一節いっせつで始まります。これはもう是非ぜひとも紹介したいんです( *´艸`)

日本書記にほんしょきの『第一段本文』はこんなフレーズで始まります。

【読み下し文】

いにしえ天地あめつち いまだ  わかれず、陰陽めお かれざりしとき、渾沌まろかれたること 鶏子とりのこごとくして、ほのかにしてきざしふふめり。

《私流、現代語訳》
その昔、世界がまだ、空も大地も分かれていなくて、昼も夜もハッキリしなかった頃、渾沌こんとんとした中で、まるで生卵のように形もなくただよいつつも、何かが起きそうな予感を秘めていた。

(本文)
天地開闢てんちかいびゃく

この世界が、まだ渾沌こんとんとしていて、形も整わなかった頃、『高天原たかあまはら』という天上界に、『別天津神こと-あまつかみ』と呼ばれる神様たちが、少しずつ姿を変えながら次々と5そん、現れました。

(※別天津神こと-あまつかみたちは、性別の無い『ひとかみ』だったので、やがて静かに姿を消していくことになります)

そうしている間にも、今度は男女ペアの神が次々と姿を現します。
(※生まれたのではなく、どこからともなく湧き出たといったニュアンスです)
4~5組目くらいでしょうか、『イザナギ』と『イザナミ』という2そんの神が現れます。

凛のトリビアPOINT!

・『高天原たかあまはら:天上界』に一番最初に出現したのは『天之御中主神アメノみなかぬしノカミ:通称(みなか主)』と呼ばれる神です。「天上界の中心にあたる偉大な神様」といったニュアンスです。次に『高御産巣日神たかみむすびノカミ:通称(たかむす)』、『神産巣日之命かみむすびノカミ:通称(神結かみむす)』の最初の3尊は『造化三神ぞうかさんしん』と呼ばれます。

・さらに『造化三神ぞうかさんしん』の次に出現した2尊を含めた5尊を『別天津神こと-あまつかみ』と呼び、「天津神あまつかみ」の中でも、”特別な存在” なので別けましたよ!というニュアンスになります。

・『別天津神こと-あまつかみ』以後に現れた、『イザナギ・イザナミ』までの代は『神世かみよ七代ななよ』と呼ばれます。

(本文)
『国生み』神話  

別天津神こと-あまつかみ』たちは、『イザナギ』と『イザナミ』に渾沌こんとんとした世界を安定させるように命じます。2尊の神は天浮橋アメノうきはしという雲の上に立ち、「別天津神こと-あまつかみ」から授かった『天沼矛あめのヌボコ』で渾沌こんとんとした世界をかき混ぜてみました。

『天瓊を以て滄海を探るの図』イメージ

そして、ほこを引き上げた際に「したたり落ちたしずく」が固まり、やがて『島(大地)』になりました。この初めてできた島は『オノゴロ島』と呼ばれます。

2神はこの島に降り立って、社殿を建て『結婚』をします。

その時の2神の会話です。
イザナギ:「イザナミよ、あなたの身体はどんな風にできているんですか?」
イザナミ:「はい、私の身体には1か所 ”欠けている” 部分があります」
イザナギ:「そうですか、私の身体には1か所 ”余計” な部分があります。どうでしょう、あなたの欠けている部分と、私の余計な部分を合わせて”国”を作りませんか?」
イザナミ:「それはいい考えです」

2神は大きな柱をそれぞれ逆に回り、出逢った場所で声を掛け、そこで国を作りましょうと打ち合わせます。そして柱を回り始めた2神が出逢った時、『イザナミ』から声を掛け、欠けた部分を余計な部分でふさぎます。

そうして最初に生まれたのが『水蛭子ひるこ』でした。ところが「水蛭子ひるこ」は骨もなくフニャフニャの身体で生まれてきました。2神は『水蛭子ひるこ』をわらの船に乗せて流してしまいます。

2神は別天津神こと-あまつかみたちに「なぜ、ちゃんと子が産まれないのでしょうか?」と尋ねます。こと天津あまつかみたちは占いをして「女であるイザナミから誘った(声を掛けた)からだ」と答えます。納得した2神は再びオノゴロ島に戻り、今度は男である『イザナギ』から声を掛けました。

2尊は、その後次々と8つの島を産み落としていきます。
最初に出来たのが『淡路島あわじしま』、次の島は、身体がひとつなのに顔が4つもありました。そうです、『四国』です! 次に『隠岐島おきのしま』、『九州』、『壱岐島いきのしま』『対馬つしま』『佐渡島さどがしま』、そして8島目が『本州』でした。
この8つの島を『大八島おおやつしま』と呼びます。

その後『小豆島しょうどしま』や『五島列島ごとうれっとう』など6つの島を生み落とします。

このようにして日本の国土は、ほぼ完成を迎えます。これが『国生くにうみ』と呼ばれる神話です。

凛のトリビアPOINT!

【神々の足あと】
・「天浮橋アメノうきはし」は、この後も天孫降臨てんそんこうりんなどで登場します。天上界と地上界の架け橋のような存在ですが、具体的な地域や橋などの建造物であったかは分かっていません。

一説では京都にある日本三景にほんさんけいのひとつ『天橋立あまのはしだて』ではないかと言われています。確かに神がかり的な(神秘的な)美しさと、地理的な要素から、あながち的外れな説ではないと思っています。
少なくとも「天橋立あまのはしだて」を参考にした可能性はありますよね。

・最初に出来た「オノゴロ島」が、現代のどこを指しているのか?は今もハッキリしていません。

・男女の身体や結婚、出産、先天性障害せんてんせいしょうがい、ネグレクト(もしくは嬰児えいじ遺棄いき)など、性や、種の継承を抽象的に描写しています。

・医学の発達していない時代、障害をもって生まれる子は、神が怒ったため、悪霊にかれたため、などの理由をつけられしいたげられました。

【神々の足あと】
・日本神話には出てきませんが、船で流された『水蛭子ひるこ(ひるこ)』は、やがて『摂津せっつ(大阪と兵庫の県境)』に漂着し、豊漁の神『恵比寿天』となったという伝説もあります。健気けなげですよね。蛭子=えびすとも読む、海に捨てられたから「魚と釣竿」がシンボルマーク、近畿沿岸部の一部では、海からの漂着物を信仰する風習が残っているんですよ。

・「誘う」という意味の「いざなう」という言葉はイザナギ、イザナミから来ています。男女どちらが先に声を掛ける(誘う)のかで、子供にまで影響が及ぶという概念は、その後の日本において、女性が男性に声を掛けるなんて”はしたない!” Σ(・ω・ノ)ノ!という道徳観に深く影響を及ぼしました。肉食系女子や草食系男子なんて考えられない時代でした( ´艸`)

(本文)
神生かみうみ』神話 ~2神が生んだ八百万やおよろずのかみ

国土を完成させた『イザナギ』と『イザナミ』の2神は、今度は『神々』を生み始めます。

最初に生んだ神は『大事忍男神おほこと・おしをのかみ』でした。
大事(おおごと)をしのぶ(懐かしむ)男の神様という意味で、『国生くにうみ』という一大事を終えて、それをお祝いして(しのんで)作った最初の神といった感じでしょうか。

その後、2神は次々と”家の神” ”風の神” ”石の神” ”木の神” ”波の神” など神羅万象しんらばんしょう(この世にある、ありとあらゆる物、事)を生み続けます。そして生まれた神同士が、また神を産み、どんどん増えていきました。そのあまりの多さに、後に『八百万神やおよろずのかみ』なんて呼ばれます。

そして事件は起こります!(;゚Д゚)ナニナニ!?

『イザナミ』は火の神『火之迦具土神ひの・カグツチ・のかみ:通称「カグツチ」』を、生もうとして「大火傷おおやけど」を負ってしまいます。「カグツチ」は全身が「燃え盛る炎」でおおわれた神様でした。そして、火傷やけどがもとで病気を発症して、イザナミは死んでしまいます。

『イザナミ』が死んだ悲しみは、怒りに代わり、『イザナギ』は『カグツチ』を剣で切り刻んでしまいます。カグツチの身体は飛び散りますが、その破片から、また次々と神々が生まれました。

『イザナギ』が悲しむと、目からしずくが沢のように流れ出ました。この『涙』から生まれた神が『泣沢女神なきさわメのかみ』です。

『イザナギ』は『イザナミ』を出雲いずもの『比婆山ひばやま』にほおむります。

ところが、いつまで経っても悲しみはえず、『イザナミ』に会いたい気持ちが高まっていきます。とうとう『イザナギ』は死者の世界と言われる『黄泉よみくに』に向かいます。
黄泉よみくに』の(入り口にあたる)社殿に着いた『イザナギ』は、扉越しに『イザナミ』を呼び出します。

イザナギ:「愛しき我が妻イザナミよ、あなたと作った国はまだ出来上がってはいません。ですから、一緒に帰りましょう」
イザナミ:「悔しいのです、なぜもっと早く来てくださらなかったのか。私はもうこの「黄泉よみの国」の食べ物を口にしてしまいました(ので、もう戻ることが出来ないのです)。ですが、愛しき我が夫が、わざわざ迎えに来てくれたのですから、私も帰りたいと思います。元の世界に戻ることが出来るのかを、「黄泉よみの国の神」に相談してきます。ですが、(あなたはここで待って)決して(黄泉よみの国にいる時の)私を見てはなりません。」

『イザナギ』は決して見ないと約束をして、しばらく扉の前で『イザナミ』を待ちます。ところがいつまでたっても『イザナミ』は戻ってきません。待ちくたびれた『イザナギ』は、とうとう黄泉よみの国に入り、妻を探しはじめます。

『イザナギ』が『イザナミ』を見つけたとき、『イザナミ』の身体は(腐敗ふはいして)、うじが湧き、体には8つもの『雷神らいじん(悪霊のこと)』がいていました。

その姿に恐怖を抱いた『イザナギ』は、逃げ帰ろうとします。

イザナミは「私に恥をかかせたな!」と言うと、『黄泉醜女よもつシコメ』という悪霊を呼んで『イザナギ』を追わせます。

逃げる『イザナギ』は『ぶどう』や『タケノコ』を投げつけ、「シコメ」が気を取られている間に、更に遠くに逃げだします。

『イザナミ』は身体に憑いている雷神らいじんと1500もの黄泉よみの軍勢に後を追わせます。『イザナギ』は必死に剣を振り、抵抗して逃げ急ぎます。ついに ”黄泉よみ” と ”この世” の境にある『黄泉よもつ比良坂ひらさか』という場所までたどり着きました。そこで『イザナギ』はこの坂の「樹」に実っていた『桃』を、追っ手に向かって投げ撃ちました。するとようやく追っ手は退散していきます。

それでも怒りの収まらない『イザナミ』は、最後には自ら『イザナギ』を追いかけました。追いつかれた『イザナギ』は「黄泉比良坂よもつひらさか」を大岩でふさぎます。岩を挟んで、夫婦は「口論」を繰り広げました。

イザナミ:「愛しいイザナギよ。よくもこの様な仕打ちをしてくれたな。これからはあなたの国の者を1日1000人、(呪いで)め殺しましょう」

イザナギ:「愛しい私のイザナミよ。あなたが、そのようなことをするのであれば、私は1日1500人をこの世に誕生させましょう」

こうして、イザナミは『黄泉津大神よもつオオカミ』と呼ばれるようになりました。

何とも悲しいお話ですね。誰も死には逆らえない、死者は蘇らない(黄泉返よみがえらない)という、自然界の摂理せつりを、物語を通して描いているんですね。

凛のトリビアPOINT!

・古代から王位継承は ”血族内で” という風習が根強く、同族同士、兄弟姉妹同士で「近縁者間きんえんじゃかんの婚姻」など、好ましくない慣習が長い間行われていました。イザナギとイザナミも兄妹です。

・古文では「妹=愛おしい年下の女性」という意味もありますので、少しロマンティックに考えるなら、神話に書かれた『妹』という文字を「年下の妻」と解釈してもいいんですよ。

・今も昔も「出産」は命がけでした。ましてや医学の知識もない時代では、出産で命を落とすことは珍しくありませんでした。そして ”無事に産まれる” こと自体が、奇跡に近い偉業いぎょうとして捉えられていました。ですから、それを何回も繰り返した『イザナミ』は、まさに創造神として崇拝すうはいされたのですね。

・ちなみに『イザナミ』はやまいわずらってからも6尊もの神を生んでいます。

・この「神生み」の段で、初めて「怒り」や「悲しみ」、「女々めめしさ」、「愛情」、「我慢できない感情」、「恥ずかしさ」、「恐怖」といった感情が表現されました。

・「カグツチ」が剣で斬られ、炎の身体が飛び散る様は、火山の噴火で溶岩が飛び散る様子を描いたのではないか、という説もあります。

・この時、飛び散った血や破片から、たくさんの神が生まれましたが、その中の1尊が今後も活躍する『建御雷神たけ・ミカズチ神』です。

【神々の足あと】
・『イザナギ』の涙から生まれたのが「泣沢女神なきさわメのかみ」だったと紹介しましたが、実はもうひとつ別の神話があります。

『イザナギ』の深い悲しみは(涙は)、いつまでも止むことがなく、結晶となって、やがて『神石』と呼ばれる、滴のような形の巨石となりました。『イザナギ』は悲しみを断ち切るという意味を込めて、この石を剣で3つに切り裂きました。

その斬られた『神石』は、現在でも宮崎県都城市みやこのじょうしにある『つまきりしま神社』にまつられています。確かに鋭利な刃物で切られたような断面ですが・・・石は2切れしか見当たりません。あと1つは?

実は、斬った勢いで、遠く宮崎市の「平原」まで飛んでいって、この石の断面が、『神石』とピッタリ合ったという伝承があります。なんだか不思議で、とても面白い逸話ですよね!

残念なことに、その石が実在したかどうかといった痕跡は残されていません。

・『イザナギ』と『イザナミ』の口論と決別は、”日本で初めての離婚” であったとも言われています。しかし「文句」を言い合いながらも、お互いが相手の事を「愛しい」と言っているところに ”切なさ” を感じてしまいますね。

『黄泉平坂で言い争う2人』イメージ

・『イザナミ』の呪いによって、”形ある物はいずれ壊れる” ”命ある者はいつか死を迎える” という「寿命」や「有形必滅ゆうけいひつめつ」の概念ができたとする説があります。それ以前は偶発的な事故や病気、他者からの攻撃で死ぬことはあっても、勝手に終焉しゅうえんを迎えるといった概念は記されていなかったんですね。

・実は『イザナギ』と『イザナミ』の2神が「黄泉比良坂よもつひらさか」で言い争っていた時、”仲を取り持った神様がいた” という『ククリヒメ伝説』があるんです。日本書記の副文(本文には記載が無い)に『菊理媛神ククリヒメ』は記されていて、どの様な言葉で ”間を取り持ったのか” までは書かれていないのですが、“えんをくくる女神”ということで「縁結えんむすびの神様」とも言われています。

【神々の足あと】
・『黄泉比良坂よもつヒラサカ』は今の島根県『東出雲町ひがしいずもちょう』にあったとされています。現在は結界けっかいが張られ、石碑が立てられています。『イザナギ』が道をふさいだとされる『千引せんびきの岩』という大きな石も祀られているんです。そして近くには『揖夜神社いやじんじゃ』という『イザナミ』をまつった神社があります。

・「東出雲町ひがしいずもちょう」の隣町、島根県『安来市やすぎし』には、『イザナミ』がほおむられたと言われる『比婆山ひばやま』があります。面白いことに(直線で約30km離れた)広島県『庄原市しょうばらし』にも『比婆山ひばやま』という山があるんです。

島根(安来市)の『比婆山』は標高330mほどの小高い山で『イザナミ』の御陵ごりょうとされる古墳があります。ちなみに『比婆山久米神社ひばやまクメじんじゃ』が「山頂(奥の宮)」ふもと(下宮)」に分かれて鎮座しています。
一方、島根と広島の県境で、ギリギリ山頂が広島側に入っている庄原市しょうばらしの『比婆山ひばやまにも1260mの山頂付近に円丘えんきゅうがあり、これまたイザナミの御陵ごりょうとされる、こけむした巨石が横たわっているんです!

この2つ以外の山や丘を含めて、宮内省くないしょうやら内務省やら、偉い学者さんやらが、「この地こそが本物だ!」と未だに論じ合っているんです 笑。 あなたがそこに立った時に、“何か”感じるものがあれば、そこに『イザナミ』が眠っているのかもしれません。

・『黄泉津大神よもつオオカミ』は ”黄泉よみの国の王” というニュアンスです。つまり、『イザナミ』が「黄泉よみの国」を支配する立場になったということですね。

 

(本文)
『アマテラス誕生』

~イザナギのみそぎから生まれた三貴神さんきしん

命からがら『黄泉よみの国』から逃げ帰った『イザナギ』でしたが、その身体にはたくさんの『けがれ』がいていました。

そこで、『イザナギ』は『阿波岐原アワギはら』という瀬に浸かって『みそぎはら』を行ないます。そのけがれがはらわれると、そこから次々と神が生まれました。

身に付けていた、衣類や杖や腕飾りからは13尊の神々が、「けがれ」からは「災厄さいやくをもたらす神」が2尊、さらに災厄さいやくを流す力を持った3尊の神が生まれます。

次にみそぎをした「水面、水中、水底」から、それぞれ3尊が2組(計6尊)生まれます。その内の1組は『ワタツミ3神』、もう1組を『住吉すみよし3神』と呼びます。

最後に『イザナギ』が左目を洗うと、そこから『天照大御神アマテラスおおみかみ:通称(アマテラス)』が生まれます。
右目を洗うと『月読命ツクヨミのみこと』が、そして鼻を洗うと『建速須佐之男命たけはや・スサノオのみこと:通称(スサノオ)』が生まれます。

『イザナギ』はこの3神の誕生をたいへん喜びました。
イザナギ:「私はこれまで多くの子(神のこと)を生んできたが、最後の最後で3尊の格貴かくたかい神(三貴神さんきしん)を得られた」

そして自分の ”たまの首飾り” を渡し『アマテラス』にこう言います。
イザナギ:「あなたは『高天原たかあまはら:天界』を治めなさい」

次に『月読命ツクヨミ』には『夜の国』を、そして『スサノオ』には『大海原』の統治を命じました。

このようにして、『みそぎ』という儀式から数多くの神々が生まれ、さらに『三貴神さんきしん』という ”格貴い神” による、この世の『分割』『統治』という体制が確立しました。

凛のトリビアPOINT

【神々の足あと】
・『イザナギ』が『みそぎ』を行なった地は、詳しくは『筑紫つくし日向ひゅうがたちばなの小門の阿波岐原あわきはら』と記されていますが、現代の区画感覚だと、筑紫つくし日向ひゅうが、さらに阿波岐原あわきはらは、九州東岸ではあるのですが、微妙に位置が異なっていて判然としないんです。
ヘタをすると250~300kmの範囲を指している可能性もあったりして・・・
ですから、記述の意図としては『九州の東沿岸のどこか』程度のイメージではないかと思います。

・さらに『みそぎ』をしたのは『海』なのか『川』なのか、はたまた『池』や『沼』なのかが分からないんです。
私のイメージでは冷たい荒海に入って「えいっ、やーっ!!」とか言いながら桶で水をかぶるシーンが浮かぶんですが 笑 もしくは滝に打たれてとか・・・。

阿波岐原あわきはら』は海沿いの町ですが、大淀川という立派な川もありまし、付近一帯はやけに池や沼が多いんですよ。

また『江田神社えだじんじゃ』という古い神社があり、そこの『池』で『みそぎをしたとも伝えられていて、『みそぎ発祥の神社』にもなっているんです。

ただし、本文には「水面近くは水流が早く、底の方は遅い、だから中段あたりでみそぎをした」というような記述があります。海だと海底までは深過ぎるし、池や沼だと流れがあまりない。と、いうことは川だったのかな?などと勝手に考えています 笑

・『住吉3神』は全国に600ある住吉神社にまつられ、その総本社が大阪市住吉区に鎮座する『住吉大社すみよしたいしゃ:通称すみよっさん』になります。

・水の中で生まれた『ワタツミ3神』や『住吉3神』は海洋の神とされています。ちなみに ”海神” と書いて ”ワタツミ” と読みます。

(本文)
「スサノオの誓約(うけい)」

~宗像三女神と五柱神の誕生~

『イザナギ』に命じられたとおり『三貴神さんきしん』は、それぞれの国へ行き、統治を始めます。

ところが、『スサノオ』は命じられた通りには国を治めず、泣いてばかりいました。大人になってもまだ泣き続けます。おかげで山は枯れ、海は干上がり、悪霊がハエのように羽音を立てて飛び回り、辺りを埋め尽くしました。

見かねた『イザナギ』は理由を尋ね、『スサノオ』とこんなやりとりをします。
イザナギ:「お前はなぜ、国も治めず泣いてばかりいるのだ?」
スサノオ:「『(亡き母)イザナミ』のいる『の国』へ行きたくて泣いております」
イザナギ:大いに怒り「ならば、お前はここに住んではならない!」

こうして『イザナギ』は『スサノオ』を追放してしまいます。

追放された『スサノオ』は『では、アマテラス(姉)に事情を説明してから、去りましょう』と言い、『高天原たかあまはら:天界』に向かいます。
『スサノオ』が天界へと上りはじめると、大地は揺れ、空は曇り『台風』が発生します。その騒ぎに驚いた『アマテラス』は「スサノオ(弟)がここに登ろうとしているのは、何か良からぬことを考えているのでしょう。さては、この国(天界)を奪い取ろうとしているのでしょうか」と考えます。

そこで、『アマテラス』は男神のような “いでたち” で、『勾玉まがたま:お守り』と『1500本もの矢』と『弓』で迎え撃つ準備をします。そして『スサノオ』と対峙したときは、地が沈むほどに両足を踏ん張り、まるで雄叫びのように『ここに何をしにきたのか!』と問い詰めました。

『アマテラス』の決死の出迎えに、驚いたのは『スサノオ』の方でした。
そこで『イザナギ』に追放されるまでの経緯と、自分に邪心などないということを必死で訴えましたが『アマテラス』は半信半疑です。

アマテラス:「あなたは、どの様に『邪心じゃしん』がないことを証明するのですか?」
スサノオ:「では、占いをして、身の潔白を証明しましょう。」
『スサノオ』はそう言って「占いで神が生まれれば潔白」という『誓約うけい』を提案します。

『迎え撃つアマテラスと誓約を提案するスサノオ』イメージ

了承した『アマテラス』は『スサノオ』の持っていた『剣』を受けとり、『天真名井アメノまない』という聖水ですすいでから、噛み砕いて吹き捨てました。その息吹から生まれたのが『宗像三女神むなかたさんじょしん』と呼ばれる『タキリ姫』『イチキシマ姫』『タギツ姫』の3尊です。

続いて、『アマテラス』が身に付けていた珠を『スサノオ』が噛み砕き、吹き捨てると、『天之忍穂耳命アメノおしほみみノミコト:通称(おし穂みみ)』が、次に『天之菩碑能命アメノほひのミコト:通称(アメノほひの)』が生まれ、3人目に『天津日子根命アマツヒコネノミコト:通称(アメノひこね)』その後2尊、計5尊の男神『五柱神』が生まれました。

こうして、占いで『スサノオ』の潔白は証明されました。

『スサノオ』の『誓約うけい』によって3女5男の神が誕生したのですが、『アマテラス』はこんな提案をしました。
「後から生まれた5尊の神は、私の持ち物(珠)から生まれたので、私の子とします。先に生まれた3尊の女神はあなたの持ち物(剣)から生まれたので、あなたの子としましょう」

こうして子別けの儀式が終わります。以後、「別天津神こと-あまつかみ」、「神世七代かみよななよ」と『アマテラス』を始祖とする子供たちは『高天原たかあまはら:天上界』の国の神であり『天津神あまつかみ』と呼ばれ繁栄します。
一方で『三貴神さんきしん』以前に生まれた神(土着神どちゃくしん)と、高天原たかあまはらから降りてきて地上界で氏神になった神、そして『スサノオ』を始祖とする子供たちは『国津神くにつかみ』と呼ばれ『葦原中国あしはらなかつくに:地上界』で力を付けていきます。

凛のトリビアPOINT!

・スサノオが「大人になるまで」泣き続けたとあるのは、本文に「顎鬚あごひげ」が「心(胸の辺り)」まで伸びても、なお泣き続けたという記述があるためです 笑

・『スサノオ追放』の際、『イザナギ』は『三貴神さんきしん』たちにこの世の統治を任せ、自らは『大御神おおみかみ』として、『大八島おおやつしま』の中で最初に作った『淡路島あわじしま』の多賀たがの地で悠々自適ゆうゆうじてき隠居いんきょ生活を送っていました。
『イザナギ』にしてみれば“いい大人”になってもメソメソ泣いている甘えた末っ子を見て「やれやれ・・・ふぅ。」といった感じだったんだと思います 笑。
『スサノオ』を追放した後、『イザナギ』は『幽宮ゆうぐう』にこもり静かに余生を送ります(※以後、日本神話には登場しません)。

・スサノオはイザナギの禊祓みそぎはらで生まれたので、『イザナミ』は直接の母ではない気がするのですが、自ら『:亡き母を表す』と言っているので、少なくともスサノオは母だと考えているんですよね。不思議です。

これは私が『日本神話の七不思議』と勝手に位置づけているものの1つなんですが、『(2人で)む』神もいれば、『1人でむ』神もいて、中には「細胞分裂」のように分かれて生まれる神様がいるんですよね。もちろん初期5神の『別天津神コト-あまつかみ』や『イザナギ・イザナミ』なんて、ほぼ自然発生的に現れているし・・・

『イザナミ』が “母の象徴だから” とか、“ルーツ” だからとかいう説もありますし、まぁ日本書記では2神が生んだってことになっていますからね。

・『の国』は「草木の根っこの生える場所」つまり『地中』を意味します。死んだ者が行く世界で、『黄泉よみの国』とほぼ同じと考えても良いのですが、なぜ途中で表現が変わったのか・・・謎です。
そして世界は『高天原たかあまはら:天上界』『葦原中国あしはらナカツクニ:地上界』『黄泉よみの国/の国』という3段構造という概念が存在していることが分かります。

・『スサノオ』は海と風を操る神でしたから、無造作むぞうさに動いた結果『台風』が起きてしまいます。本人は悪気など無かったのですが・・・。
『アマテラス(姉)』の勘違いから起こったトラブルですが、普段、大人しい(奥ゆかしい)女神である『アマテラス』が戦いの準備をして迎え撃つ姿には、「私が国を守らねば!」という「必死さ」が垣間見かいまみえて、共感できます。きっと物凄く怖かったんだと思います。両足がめり込むほど踏ん張ったのではなく、地面が沈むくらい「足」が震えていたんだと思います。

乙女なんです、アマテラスは!

宗像三女神むなかたさんじょしんを含めて、女神たちの当て字を『姫』としていますが、本当は『毘売ヒメ』と『比売ひめ』です。そろそろ「神様の名前」も「多く」なってきたので、少しでも覚えてもらえるようにちょっとだけ変えてしまいました。

・『誓約うけい』とは、まず将来の「予想」をして、その通りの結果となれば「無罪」といった「占い診断(審判)」みたいなものです。この時『スサノオ』は、「子供が出来る」という予想を立てて、『アマテラス』と占いをします。そして「三女神」と「五柱神」が生まれたので、結果「無罪」でした。

本文にはここまでしか記述はありませんが、本当はこんな感じだったのではないかと妄想しています。

スサノオ』は「私があなた(アマテラス)を、どんなにあがめ、おしたいしているかを証明しましょう。そして見事、あなたとの間に『子』が生まれたならば、私に邪心じゃしんなど無いことが分かるでしょう」と、子の出生で判断を迫ったのではないでしょうか。

少なくとも『スサノオ』は『アマテラス』に好意があったと思うのです。で、なければ、わざわざ事情を説明しに天界へ上がる必要もないでしょう。まっすぐ「の国」へ行けばいいのですから。

一方『アマテラス』は女性として『スサノオ』を受け入れるわけですから、そこにはもう「疑う気持ち」はなく、ただ「愛情」を一身に受けたのでしょう。その結果『スサノオ』の望む通り、いやそれ以上に8尊もの神が産まれたのではないでしょうか。

「男性」が差し出したのが『剣』というのも、それを『聖なる水』ですすぐ(湿らす)というのも、遠回しですがそう言うことですよね。そうすると女性が差し出した『珠』というものは、ご懐妊かいにんされる時に必要な「女性の持ち物」だったのでしょうか? 私的『日本神話の七不思議』のひとつですが、「神話」が誕生した当時、顕微鏡でもなければ見えないようなミクロの世界、ましてや外から見えない体内でおこる神秘の光景を、具体的に珠(丸い物、宝石)と表現できたでしょうか? 『とんがり=男性』『丸さ=女性』を表しているとする説もありますが、謎は解明されていません。

・『天津神あまつかみ』は、通称『天神てんじん』と呼ばれている神様です。こちらの方が馴染なじみ深いですよね。一方で『国津神くにつかみ』は『地祇ちぎ』と呼ばれますが、こちらはあまり聞き慣れません。天地両方を合わせて『天神地祇てんじんちぎ』と表現します。ちなみに『地祇ちぎ』という漢字は「クニツカミ」とも読むんですよ。

【神々の足あと】
・『天真名井アメノまない』は意外にも国内に多く点在しています。もともとは特定の井戸を指す固有名詞ではなく、“特に綺麗な井戸や湧水”という意味もあったので、点在していても不思議ではありません。有名なところでは鳥取県米子市よなごし、京都の「市比賣神社いちひめじんじゃ」、そして宗像三女神むなかたさんじょしんの「タギツ姫」がまつられる筑前大島ちくぜんおおしまの『宗像大社むなかたたいしゃ 中津宮なかつぐうにもあります。


(本文)

『タキリ姫』は『宗像神社むなかたじんじゃ』の沖津宮おきつぐう
『タギツ姫』は同じく中津宮なかつぐう
『イチキシマ姫』は辺津宮へつぐうにそれぞれ鎮座しています。

『五柱神』の『アメノほひねの子』と『アメノひこね』は日本全国の「国造くにのみやつこ」の祖となりました。

凛のトリビアPOINT!

待ってましたーっ!『宗像三女神むなかたさんじょしん』は私の超―っ大好きな女神たちです!!
なので、色々ツラツラとお伝えしたいんですが、ここで話が止まっちゃいそうなので、ダイジェストでご紹介します・・・うぅ(´;ω;`)

・実は『宗像三女神むなかたさんじょしん』の生まれた順番やまつられている神社は、両記でバラバラ。なので私は『宗像大社むなかたたいしゃ』の見解に沿った書き方をしています。

三女神さんじょしんは『海の女神』です。『スサノオ』が三女神をそれぞれ ”海の重要拠点” に遣わせたのは、きっと自分が『大海原』の統治を命じられていたにも関わらず、追放されてしまい「責任を感じた」のか、それとも海の守備が “がら空き” になっていたからなのか・・・ いずれにしても良かったですよね、立派な女神が生まれて 笑
安心したのか『スサノオ』はこの後も、勝手気ままに放浪しますから(-_-;)

【神々の足あと】
・三女神の長女『タキリ姫』のまつられる沖ノ島おきのしま(福岡県宗像市むなかたし)は島全体がご神体で、神職しんしょくの方だけが交代で住まわれています。現在でも上陸を許されるのは男性だけ・・・。しかも海で『みそぎ』をしないとおきぐうの鳥居をくぐることは許されないんです。

『沖津宮と禊』イメージ

島内は神話当時そのままの姿が残っていて、『海の正倉院しょうそういん』と呼ばれるくらい、石器、土器、『祭祀品さいしひん(宗教儀式で使う道具)』や『装飾品』、儀式の遺構いこうなんかがザクザク出てくるんです!その数8万点!←国宝です。

島の中には未発見のものも、まだまだありますが、もちろん何一つ持ち帰ることは出来ません 笑 と言うか、上陸すらできません、私。

実は、現在でも沖ノ島おきのしまには「この島で見聞きしたことは一切話してはならない」という『不言様おいわずさま』や、「島からは一木一草一石たりとも持出してはならない」という厳しい戒律かいりつがあるんです。

『沖ノ島上陸心得の看板』

あと、超個人的で申し訳ないのですが、この島の形が、ダイバー達の憧れ『マンタ』(オニイトマキエイ)に見えるんです。「海の女神」と「海の神秘マンタ」・・・泣けます。
『沖ノ島・マンタ』イメージ

・次女の『タギツ姫』は筑前大島ちくぜんおおしま』の『中津宮(なかつぐう)』まつられています。現在でも多くの人が暮らす島で学校とかあります。この島も、沖ノ島おきのしま同様、儀式や祭事が行なわれていて、数々の遺構いこうがあります。
たとえば!沖ノ島おきのしまには限られた人しか上陸できないから、「この島から拝んじゃおう」ってことで、『沖ノ島おきのしま遥拝所ようはいじょ』という場所があります。(※島の北側、小高い丘の上に鳥居とお社があります)
ここから、良く晴れた日には遠くに沖ノ島おきのしまが見えるんですよ!

それから、そんなに遠い島なのに、三女神の長女『タキリ姫』の“おてんば”ぶりが分かる伝説もあるんです。
タキリ姫が自分の島沖ノ島おきのしまへ渡る時に、馬にのってジャンプしたんです。その時のひずめの後が残っていて『馬蹄岩ばていいわ』と呼ばれています。確かにお馬さんの足跡がいっぱい・・・あるようにみえなくも、、、ない? いや、きっと飛びましたね、ここから沖ノ島!(*”▽”)

さらにさらに、中津宮なかつぐうには『天真名井アメノまない』という「三女神」が生まれるときに「スサノオ」の剣を清めた聖水が湧いています。

あと、境内けいだいには『天の川』という小川が流れていて、川を挟んで『牽牛けんぎゅう神社』・『織女おりひめ神社』が建っています。由緒ゆいしょある『七夕伝説たなばたでんせつ発祥はっしょうの地』とも言われているんです。日本神話には直接表現されていませんが、この織姫おりひめは『瀬織津姫せおりつひめ』と言われ、『タギツ姫』と同一神なのでは?という説もありますし、あまりに強い力を持っていたため「日本神話」から消されてしまった、龍神の化身など、さまざまな説があるんです。

・末っ子の『イチキシマ姫』は別名『サヨリ姫』と言い、宗像神社むなかたじんじゃの総本社宗像大社むなかたたいしゃ』の『ぐうにおまつりされています。実は『七福神しちふくじん』の紅一点、『弁財天べんざいてん』と同一神なんですよ。

・『イチキシマ姫』は『アマテラス』から命じられて、天孫降臨の際に生まれたての『ニニギ』の養育係として随伴したとも言われています。ニニギを立派に育てあげたことから、子守りの神様としても崇められるようになりました。『アマテラス』から生まれたとは言え、子別けの儀式で『スサノオ』の子となり「宗像大社(辺津宮)」を護っていたはずなんですが・・・。

・この沖ノ島おきのしま(沖津宮)筑前大島ちくぜんおおしま(中津宮)宗像大社むなかたたいしゃ(辺津宮へつぐう)、他は、「古代信仰が現代まで続いていること」などが評価されて2017年『世界文化遺産』に登録されました!!

・『三女神』は『日本神話』を語る上で、非常に需要なポジションにいる女神です。“海の神”で「海上交通の守り神」とされています。
事実、日本と大陸間の航路に『海北道中かいほくどうちゅう』というルートがあるのですが、この航路は「福岡宗像」→筑前大島ちくぜんおおしま沖ノ島おきのしま→「韓国の釜山ぷさん」を“一直線”の最短ルートで結んでいるんです。
遣唐使けんとうし遣隋使けんずいしも、みんなこの島を目印にしたんですって!この島がなければ安全な航海なんて出来なかったかもしれません!

・ここまで語ってもまだ書きたい『宗像三女神』!
さて、『アマテラス』と『スサノオ』から一番最初に生まれた “強い力” を持つ女神を、なぜ遥か遠く離れた『玄界灘げんかいなだ』の孤島に遣わせたのでしょう。
それは、沖ノ島おきのしま筑前大島ちくぜんおおしまようする、神話にも出てくる『海北道中かいほくどうちゅう』という航路が当時の日本にとって大変重要だったからなんです。
当時、大陸に渡るルートは九州の博多→壱岐島いきのしま対馬つしま韓半島かんはんとうというのが、王道中の王道でした。
一方で地図を見ても見えないほど小さい沖ノ島おきのしま筑前大島ちくぜんおおしまがなぜ重要なのか?

実は、秋冬の季節風で対馬つしま海流が起きて、大陸から最速で日本に辿り着くことができるのが、この『海北道中かいほくどうちゅう』ルートでした。しかも“真一直線”の最短距離。
しかし、当時の船や航海術では、たとえ最短とはいえ、途中に立ち寄れる島や目印になる島が無ければとても辿り着けません。

『海北道中』イメージ

もしも・・・
その島や海流の存在を日本だけが知っていたら? 自分だけのものにしたい!と考えませんか!?
そして見聞きしたことを話さない『不言様おいわずさま』が、”島の存在自体を隠すため” に作られたルールだったとしたら・・・

当時大陸は強大な力を持っていました。一方で日本はとても力が弱く、いつ征服されてもおかしくないくらいの差がありました。
大陸にこのルートを利用されるのは、国防の面で日本にとって致命的な痛手になってしまいます。そのくらい重要な島だからこそ、神話の中で本当に力のある神を使わせたのではないでしょうか。 ( ˘ω˘)ドヤ

(本文)
岩戸隠れ 神話

誓約うけい』の後、『スサノオ』は一方的に勝利を宣言します。

そして『アマテラス』が営む、”田んぼ” を滅茶苦茶に壊したり、収穫を祝う祭事場に汚物を撒き散らしたりしました。
『アマテラス』は何もできず、最初は、かばうような仕草しぐさすら見せました。
すると、『スサノオ』はますます横暴になり、神聖な機織はたおり小屋を壊したり、馬を殺したりとメチャクチャに暴れまくります!それがもとで『アマテラス』は ”子を産む力” までも失っていまいます。

アマテラス』は恐ろしさから『天岩屋戸あめのいわやど』の中に籠ってしまいます。

高天原たかあまはら:天上界』は暗くなり、『葦原中国あしはらナカツクニ:地上界』はいつまでも明けることのない闇夜『常闇とこやみ』につつまれてしまいます。漆黒しっこくの闇に乗じた幾万いくまんもの悪霊が湧き満ちて、災厄さいやくが国中を覆いつくしました。

八百万神やおよろずのかみ』は集まり、どうしたら『アマテラス』が岩屋戸いわやどから姿を現してくれるのかを話し合いました。
そして『思金神オモイカネのかみ:通称オモイカネ』が策を出し、神々が総出で準備して、岩屋戸いわやどの前で(祭や宴のような)大騒ぎを始めました。
勾玉まがたま』を作り、物が映りこむ『鏡』を作り、『あまの香具かぐやま』の『さかき』を飾り、笹や桶で作った楽器で場を盛り上げました。『天宇受売命アメノウズメノミコト:通称アメノウズメ』が踊り、八百万神やおよろずのかみたちの笑い声が、まるで花が咲くように広がりました。

『踊るアメノウズメ』イメージ

外の異変に気付いた『アマテラス』は岩屋戸いわやどの戸を細く開け、外の様子をうかがいました。
そして騒ぎを見て、訪ねました。
「私が隠れ、世界が闇に覆われているのに、なぜウズメは楽し気に踊り、皆は笑っているのでしょう?」
アメノウズメ』は答えます。
「あなたより格貴かくだかい神が現れたので、皆も喜んで騒いでおりました」
(その格貴かくだかい神はこの中にいますという意味で)鏡を差し出すと、不思議なものに興味を示してのぞき込みます。
『アマテラス』が鏡に夢中になっていると、すきをみて手を引き岩屋戸いわやどから出してしまいます、すかさず ”しめ縄” で岩屋戸いわやどを封印すると「もう中へ戻ることはできません」と言いました。

アマテラス』が岩屋戸いわやどから出てきたおかげで、世界に再び太陽の光で照らされるようになりました。

『岩戸隠れ』イメージ

ようやく光が戻ったところで、八百万神やおよろずのかみは協議し、諸悪の根源である『スサノオ』の持ち物を没収し、髭を剃り、爪を抜いて、『高天原たかあまはら』を追放したのでした。
-スサノオ追放(神逐かんやらい)-

凛のトリビアPOINT!

・『スサノオ』が豹変ひょうへんした理由はまったく分かりません。
あまりの不自然な展開に、大事な物語が1節抜け落ちてしまったのでは?とか、何らかの政治的理由で消されたのではないか?という説もあるくらいです。
でもストレートに考えると、“手に入れた女性” に対して急に態度が横柄おうへいになる “超ダメンズ” ということになります。
女の敵です!٩(๑`^´๑)۶ サイテイ

アマテラス』も一度は受け入れた男性ですから、『スサノオ』に対して毅然きぜんとした態度に出れません。それどころか田を壊す行為は「新たに農地を拡大しようとしているんだ」なんてかばおうとまでします。健気けなげというか、封建時代ほうけんじだい的というか・・・ ダメ男と依存いぞん女子の典型パターンって大昔からあったんですね、やれやれです。

・『スサノオ』の乱暴によって『アマテラス』は “女性としての機能” を失ったとされます。事実、これ以降『アマテラス』は子を生んでいません。

・『スサノオ』の暴れっぷりは『台風』『暴風雨』を表現しているとされています。
不安定な農耕及び漁業でかてを得ていた民族にとって、台風や長引く梅雨、干ばつは生死を分ける一大事でした。そんな時代背景もあり、自然の猛威に畏怖いふの念を抱き、『スサノオ』を通して表現したのでしょう。

【神々の足あと】
・神々が集まって、対応を協議した場所は『天安川アメノやすかわ』という河原です。この場所は、以前『スサノオ』と『アマテラス』が『誓約うけい』をした場所でもあるんです。こちらも詳しい場所については諸説あって、奈良県の『飛鳥川あすかがわ(昔は安川やすかわと呼ばれていた:場所がやまなどと近い)、奈良県御所市ごせしの「天安川あめのやすかわ神社」、宮崎県西臼杵郡にしうすきぐんたかちょう」に『天岩戸神社あまのいわどじんじゃ』及び近隣に『天安河原』なんかがあります。

・『天岩屋戸あめのいわやど』は、更に大きくの比定地ひていちが西日本各地に存在しています。
奈良県橿原市かしはらしやま南麓なんれいに『天岩戸神社あまのいわとじんじゃ』があり、(竹林の中に複数に割れた)巨石が ”ご神体” としてまつられています。
その他、兵庫県洲本市すもとし岩戸神社いわとじんじゃ』、徳島県美馬郡みまぐんつるぎ町『天の岩戸神社』、宮崎県西臼杵郡にしうすきぐん高千穂町たかちほちょう天岩戸神社あまのいわとじんじゃ』などがあります。
場所的に信憑性が高いのは奈良ですが、岩の“見た目”では高千穂たかちほ洲本すもとがイメージと一致するんですが・・・。

【神々の足あと】
・『アマテラス』を岩屋戸いわやどから誘い出す作戦では『天手力男アメノタヂカラオ』という神も加わっていました。細く開いた『天岩屋戸あめのいわやど』が再び閉まらないように、岩を “こじ開けた” とされる怪力の神です。その凄さを物語るエピソードとして、こじ開けた天岩屋戸あめのいわやどの “扉” をぶん投げたら、長野県の戸隠山とがくしやままで飛んで行ったと伝えられます。現在ここには『戸隠とがくしじんじゃ』(奥社・中社など計5社)が鎮座しています。(写真は奥社)

・面白いことに神話には『祭』や『宴』という言葉は書かれていません。ただ、こんな内容で “どんちゃん騒ぎ” をしたというような記述がされています。

【神々の足あと】
・祭で行われた数々の “もよおしもの(プログラム)” はその後、神々へ捧げる神事へと発展していきます。例えば『祝詞のりと』を唱え、「鶏を鳴かせる」「勾玉まがたまや鏡などの神器しんきを飾る」「御神楽みかぐら」とよばれる神にささげる踊りや演奏をする、動物の骨などでおこなう占いの『太占ふとまに』、『さかき』をたむける、「布を巻いたり垂らしたりして飾る」など、すべてこの祭りの時のもよおしとして神話に記述されています。

・この時、神々によって作られた『勾玉まがたま』は『八尺瓊勾玉やさかにのまがたま』で、『鏡』は『八咫やたの鏡』と呼ばれ、後に出てくる『草薙剣くさなぎのつるぎ』と併せて『三種さんしゅ神器じんぎ』とされます。『三種さんしゅ神器じんぎ』は以後、天皇家に伝わる(天皇家の正当性を証明する)ものとして扱われていきます。

・『天宇受売命アメノウズメノミコト』は踊りに踊り、ハイになり過ぎて、着物ははだけ、見えるものが全部見えていたと記されています。(*ノωノ)イヤン
神懸かみがかった』とあるので、一種のトランス状態に陥っていっていたんだと思います。

【神々の足あと】
・万葉集や百人一首で有名な『天香久山あまのかぐやま』は神々にとっても身近な存在でした。「祭で使った道具」の多くはこの山から貰ってきています。この『香具山』は現在の奈良県橿原市かしはらしにあります(※山というよりは丘)『畝傍うねびやま』『みみなりやま』と併せて『大和三山やまとさんざん』と呼ばれ、古くから信仰や大和文化の象徴として親しまれています。

・「身ぐるみを剥がされ、男性の象徴であるひげられて追い出された」という記述は、『台風』が「熱帯低気圧ねったいていきあつ」に変わって急速に勢力を弱めて(大人しくなって)いく様子を表現したのではないかと思います。

日本神話を簡単にまとめると?②へ進む

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日本神話を簡単にまとめると?④へ進む

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