東京都大田区は羽田に『穴守稲荷』という神社が鎮座しています。
まったくの余談なのですが… この“穴守”という響きですが、ジブリ映画「となりのトトロ」に出てくる『塚森 (メイが迷い込んだ不思議な森)』のようで神秘的だなぁー!といつも思っていました( *´艸`)
穴守稲荷神社は創建こそ江戸時代の後期と、決して長い歴史があるわけではありませんが、地元の方々を巻き込む数々の伝承、逸話がある神社です。
お邪魔させて頂いた時、ちょうど大規模な改修工事の真っ只中で、有名な連鳥居などが見れませんでした。それでも境内は神気に満ちていましたよ。もっともこちらの『穴守稲荷神社』は、天災や大戦の戦後処理で何度も移転を繰り返して来たという歴史があります。今しか見れない工事中の神社をお参りします!
↓穴守稲荷神社へは、京急の空港線沿線『穴守稲荷駅』から向かいました。
駅を出ると、目の前に穴守稲荷神社の鳥居が現れるのですが、実は神社自体はここから約400ⅿほど歩いた先にあります。ここは境外参道のスタート地点(一の鳥居)ということでしょうか。
案内板に従って進みます。
こちらが3箇所ある境内入口(東・西・正面)の1つ、正面側の鳥居です。
まっすぐ伸びた境内参道です。実はこちらが一番つよく“モワンっ”とした神気を感じた場所でした。
うまく言えませんが神使の狐さんたちが、あっちに行ったり、こっちに行ったりしているような気配?のようなものを感じましたね。
参道脇に『狐塚』です。
だいぶ草木でうっそうとしています。
あっ、この子達が走り回っていたのかな!?
んっ!!黒猫ちゃん!
↓「飛龍明神」の石碑
↓そして、工事中であることを物語るように、神社のシンボルでもある連鳥居が一旦取り除かれて、集約されています。これはさすがに今しか見れない景色ですね。それにしてもたくさんあります。
↓絵馬所の様子です。たくさんの絵馬やおみくじがくくられています。
↓「神楽殿(かぐらでん)」です。(神楽とは神様に捧げる、音楽に合わせた舞のことです)つまり、舞を舞う舞台ですね。
西側入口の鳥居と白い工事用防護壁に囲まれた社務所の様子。
東側入口の鳥居脇に手水舎が建っています。
手水鉢の様子です。
↓渋めな「お作法案内」
↓千社札が見えます。
手水舎近くの仮殿に、工事のために集約されたお稲荷様の祠が並べられています。
本来は本殿奥にある『奥の院』にお祀りされているんのですが・・・
一時的にとは言え、場所を移されて何だかソワソワしているような気がします。早く綺麗になった元の場所へ帰りたいですよね( *´艸`)
↓末廣稲荷社
↓必勝稲荷社
↓幸稲荷社
↓福徳稲荷社
↓築山稲荷奥宮社
↓「見ざる聞かざる言わざる」の三猿。
『御神砂(おすな)』がありました。朱色の匙(さじ)で一杯分だけ頂戴します。欲張り過ぎは良くないそうですよ。
この砂は招福砂とも呼ばれていて、砂を持ち帰り、玄関に巻けば万来招福、床下に巻けば健康長寿、身に着ければ祈願成就と言われています。
穴守稲荷神社の御神砂には次のような伝承があります。
~いたずら狐と砂の伝承~
その昔、おじいさんが漁に出て、魚を獲るたびにカゴの中で砂に変わってしまうという珍事が続きました。実はこれ、いたずら好きの狐がしていた悪さだったのです。ところがある日、村人に捕まった狐をおじいさんが逃がしてやると、その日から大漁が続き、カゴの中にはいつもたくさんの魚と“少しの砂”が入っていたそうです。おじいさんは、この砂を持ち帰り、家の庭に撒き続けました。すると、どういうわけか、魚を求めるお客さんが絶えることなく訪れて、おじいさんは大きな富を手に入れたんだそうな・・・めでたしめでたし!
拝殿へと向かう参道。いかにも工事中!という感じでフェンスやブルーシートで養生されています。
拝殿前の燭台
こちらが拝殿です。朱色と金が鮮やかです。
参拝を終え、駅へ戻る時に西側の参道から出てみました。
扁額の文字が可愛いですね。
立派な社名石碑がありました。
~弁天橋の鳥居伝説~
「穴守稲荷神社」から約500ⅿほど離れた海老取川の河口にある弁天橋。この橋のたもとに伝説の大鳥居が建っています。昔、このあたりにあった穴守稲荷神社の名残りだと言われています。戦後アメリカの占領軍(GHQ)が羽田空港とその周辺を接収した際に、穴守稲荷神社も強制立ち退きをさせられました。社殿や神社の工作物は解体されました。ところがこの鳥居だけは、ロープで引き倒そうとしたら怪我人が出るわ、工事関係者が病死するわで、さすがのアメリカ軍も解体を諦めたと言われています。
そのため、一時は“決して動かしてはならない呪いの鳥居”なんて囁かれていたそうです。東京タワーや青山トンネルと並び、トウキョーシティのアーバンレジェンドとして語り継がれています。
※その後50年近く経った1999年に、羽田空港の滑走路拡張に伴い、あっさり現在地に移さて、今では空の安全を守るシンボルとして佇んでいます( *´艸`)
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日本の神話について分かりやすく解説しています。
凛の『教えて♡神様、仏様!トリビア♪』を見る。
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