こんにちは、凜です。
皆さんは『神籬』という言葉を聞いたことがありますか?
神道で『祭壇』や『神様が降り立つ場所』『神様をお招きする場所』を示す言葉です。
古来より日本では、この世の “ありとあらゆる物や事象” には “神が宿っている” と信じられてきました。これが『八百万の神』ですね。
深くお祀りして、神様に穏やかでいてもらえれば、健康で豊作豊漁、豊かな生活を送れる。逆に疫病や異常気象などの災いが起きるのは、神様が怒っているからと考えていました。ですから年に何回かは決まった神事を執り行い、感謝の気持ちを伝えたり、信仰する気持ちを表しました。また、天変地異など、「何か良からぬ事」が起きれば、儀式を行って怒りを鎮めたりしていました。
神様は、とにかく “放っておかれる” のが嫌いです。神様に対する最大の『不敬』は “忘れ去ってしまう” ことです。そのため常に「貴方のことを信仰していますよ!」という気持ちを示す必要があって、それがやがて『例祭』や『歳旦祭』、『新嘗祭』といった祭祀神事の元になっていきました。
さて、そのような祭祀や、加持祈祷、願掛けの儀式を行う際は、神様に降りてきていただかなければなりません。この神を降ろす場所を『神籬』と言うのです。そして神が直接的に宿る“物”(樹や岩が多い)を『依り代』と言いました。
神社が建てられる以前の『古代』では、『依り代』に『玉垣』と呼ばれる囲いを巡らして、『注連縄』で神域を保護しつつ、神様が降りてきやすい環境を整えようとしました。この『垣』が後世に『籬』となったともいわれています。
神社が建てられるようになると、次第に神事は社内で執り行うことが習慣化されますが、社殿の中に玉垣を作り(特別な神域として)お祀りすることもあったようです。
今でも、本殿の周りには、ぐるりと『御神垣』で囲まれている神社が多いのは、この『玉垣』から派生した風習です。
日本の国内には、古代から『依り代』や『神籬』として、現代でもお祀りされている場所が多くあります。そのような場所では、単に “手を合わす” のではなく、古代の人々がどの様な心境で、「そこに神を見たのか」という背景にまで、思いを馳せてみるのもいいかもしれませんね。
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日本の神話について分かりやすく解説しています。
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