近鉄『伊勢市駅』もしくはJR参宮線『伊勢市駅』を降りて、市役所のある繁華街方面(西側)へ出ると、そこには真っ直ぐに続く大通りが伸びています。500ⅿほど進んだ先に、ひときわ濃い緑地が見えてきます。
(※車での参拝でも安心、なんと360台を収容できる無料の大駐車場もあります)
ここが『豊受大御神』の鎮座する『伊勢神宮外宮』の表参道入口です。
『豊受大御神』は、天照大御神ご鎮座の約500年後に、天照大御神の食事を司る神として迎えられ、鎮座しました。つまり、外宮より内宮の方が500年も歴史が古いということです・・・。
以後、1500年にも渡って、衣食住を含めた“産業全般の神様”として人々の信仰を受けてきました。
ところで、伊勢神宮は『内宮』と『外宮』どちらを先に参拝するか?という話がよく聞かれます。もちろん、心を込めて参拝すれば、どちらが後でも先でも良いみたいですが、一般的には『外宮先祭(げくうせんさい)』と呼ばれる、“外宮→内宮の順”という習わしがあるそうです。
これは一説(古事記の記載)で、天照大御神が、「私のところへ来る前に、まずは豊受の神を詣でなさい!」とお告げを降したという逸話に由来してるんですって。
表参道の境内入口には、『表参道火除橋(ひよけばし)』という太鼓橋を渡って入ります。日本一の神社、ほど良い緊張感です。
一般的に参道の真ん中は『正中』と言って神様の通り道と考え、参拝者は歩かない習わしがあります。
ここ伊勢神宮では“内宮が右側通行”、“外宮が左側通行”とされているんですよ!(内外で異なるなんて不思議ですね)橋の中央には、通行路を分ける線があります。
橋を渡って境内に入ると直ぐに『勾玉池(まがたまいけ)』があります。ガラス張りの休憩室からのんびりと池を眺める方たちも多くいます。池の中の「能舞台」が何とも風流ですね。
隣接する『せんぐう館』という、伊勢神宮の式年遷宮の資料館は、昨年の台風被害の復旧工事のため、『現在休館中』とのことでした。(※見どころも多い、人気の資料館なのでとても残念です)
とても大きな『手水舎』です。
同時に何人もの参拝客が手を浄めることができます(*’▽’)
直ぐに『一鳥居』が現れます。“伊勢鳥居”と呼ばれ、全国の神社鳥居の原型になったとされる形をしています。
とても暑い日でしたが、森林浴の様な雰囲気の参道を進むと、『一鳥居』から程なくして『二鳥居』も立っています。『二鳥居』から先は特に神聖な神域の入口となるため、皇族でもここからは徒歩でお参りをするそうです。
『正宮』の手前に、結界の張られた『三ツ石』という御神体があります。式年遷宮の際に神職やご奉仕される方がお祓いをする場所とされていて、ここでは多くの参拝客が手をかざして、パワーを取り込もうとしています。伊勢神宮全体がパワースポットなんですが、この三ツ石は特に有名な御神体です。手をかざすと温かみを感じるとか・・・
外宮『正宮』
さて、いよいよ外宮の『正宮(しょうぐう)』が見えてきました(正確には御垣(みかき)という板垣の中にある社殿の大屋根が見えているんです)。
そして、御垣内(みかきうち)は、もちろん撮影禁止です。
正宮の御垣内には更に幾重にも板垣が張り巡らされていて、奥の社殿を直接、ハッキリと見ることは叶いません。拝殿(一番手前、中央の建物)から拝むのみです。
4重の御垣の中心には『正宮』があり、『御正殿』『西宝殿』『東宝殿』という3つの社殿から成り立っています。
拝殿から一番奥(正宮の背後)には『御饌殿(みけでん)』と呼ばれる社殿があり、外宮創建以来、1500年毎日欠かさず朝・夕のお供えを奉納する儀式が行われているんですよ!
内宮、外宮を問わず、伊勢神宮は『私幣禁断』です。個人的な願いはせずに、日ごろの感謝を神様にお伝えします。
伊勢神宮は20年に一度、式年遷宮という社殿の建て替え(神様のお引っ越し)の儀式が執り行われるため、通常の神社とは異なり、各社殿の横には新社殿建設用の土地(古殿地)があるんです。隣り合った場所で新旧の社殿が並び、毎回(20年ごとに)入れ変わっているんですね。これは伊勢神宮の特色のひとつです。内宮や外宮、別宮など、まったく同じ大きさの更地が隣にあるので、是非参拝の際は、注目してみてください!
『外宮』内には『正宮』のほか『土宮(つちのみや)』『風宮(かぜのみや)』『多賀宮(たかのみや)』という3つの別宮が鎮座しています。こちらも是非お詣りしましょう。
外宮内・別宮『多賀宮』
『多賀宮(たかのみや)』は外宮の主祭神『豊受大御神』の『荒御魂(あらみたま)』をお祀りしている社殿です。外宮にある4つの別宮の中で最も格式が高いとされています(つまり正宮に次ぐ社格!)唯一98段の石段を上った先に社殿があります。
さらに『私幣禁断』の伊勢神宮にありながら、外宮で唯一『個人的なお願い』をしても良いとされている場所でもあるので参拝は必須ですね(笑)
神様は2つの側面があるとされていて、ひとつは『和御魂(にぎみたま)』と言い、穏やかで平和的な顔。そして相反する荒ぶる魂の『荒御魂(あらみたま)』です。ともに同じ神様なのですが、それぞれに接し方が違うということですね。
外宮内・別宮『土宮』
こちらも内宮・外宮を併せて14社ある『別宮』のうちの1社です。
『土宮(つちのみや)』は、古来より、この地を守護してきた『土地神様』で土の神様である『大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)』をお祀りしています。
外宮内・別宮『風宮』
『風宮』は、農業に欠かせない風や雨といった気象を司る神様で、『級長津彦命(しなつひこのみこと)』と『級長戸辺命(しなとべのみこと)』をお祀りしています。
有名な逸話では、鎌倉時代に『元(今の中国)』が圧倒的な戦力で日本に攻めてきた事件、いわゆる『元寇(げんこう)』の際、朝廷が使者を派遣して祈祷を行ったところ、強烈な暴風雨(神風)が吹き、元軍は敗退したと言い伝えられています。以後、日本の国難を救う神様として崇められてきました。
『正宮』や他の『別宮』と同様に、社殿の隣に「古殿地」と呼ばれる、遷宮用の敷地が整備されています。
外宮の御朱印
参拝を終え、御朱印を頂きました。
《その他:伊勢の旅》
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日本の神話について分かりやすく解説しています。
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