こんにちは、凜です。
日本神話の神様紹介シリーズ、、、今回は『建御雷神』です!
『建御雷神』ってどんな神様?
『建御雷神』は、日本神話に出てくる神様の中で、主人公ではないにも関わらず、非常に多く登場し、大活躍をする神様です。
今回はそんな「タケミカズチ」について紹介します。
まず名前ですが古事記では『建御雷神』『建御雷之男神』、日本書記では『武甕槌』や『武甕雷男神』と書かれます。“雷神”とか、“武”とか“男”とかって、何だか強そうな名前だと思いませんか? そうなんです!この神様は『剣の神様』、『戦の神様』と言われるほど力強い神様なんです。
では、どんな活躍をしたのか見ていきましょう!
[神生み神話] 出生が壮絶だった!
“神生み神話”の時代、『イザナギ』『イザナミ』の夫婦神が ”たくさんの神々” を産んでいると、ある時、全身が炎で覆われた火の神様『火之迦具土神』が生まれます。
『イザナミ』は、『火之迦具土神』の炎で大火傷を負い、その傷が原因で死んでしまいました。
これに腹を立てた『イザナギ』は「十束の剣」で、『火之迦具土神』を切り刻んでしまうのでした。その飛び散った血や体からも、たくさんの神々が生まれたのですが、その中の1柱が『タケミカズチ』でした!
[国譲り神話] 天上界の頼れる使者
次に現れるのが、だいぶ後の “国譲り神話” の時代です。
天上界の最高神だった『アマテラス』が、ある日突然「地上界(葦原中国)を治めるのは私の息子が相応しい!」と言い出す事件が発生します。しかしその後、天上界から地上界へ、何人もの使者を送り出しますが、ビビらされたり、懐柔されたりして、ことごとく失敗してしまいます。業を煮やした『アマテラス』が “最後の切り札” として使わせたのが、『タケミカズチ』でした。
地上に降り立った『タケミカズチ』は、いきなり地上界の最高神『大国主』に現れて、「国を譲れ!」と迫ります!
※『タケミカズチ』が現れたとされる『稲佐の浜』
剣を逆さに地面に刺して、その刃の上に胡坐をかいた姿で交渉に臨んだというのだから、大国主もさぞ ”ビビった” でのしょう。すかさず「自分は良いけど、息子が何と言うか・・・」と濁らせます。
それを聞くや『タケミカズチ』は、狩りに出ていて不在だという大国主の息子『事代主』を力技で呼び戻し、再度「国を譲れ!」と畳み掛けます。『事代主』もタジタジになり青垣に籠ってしまいました。
最後に「大国主」の息子で力自慢の『タケミナカタ』が現れます、『タケミカズチ』と『タケミナカタ』は組み合って力比べをしますが、ここでもあっさり投げ飛ばされてしまいました。ひとひねりにされた『タケミナカタ』は長野県の諏訪まで逃げて、「この諏訪の地から二度と出ませんので、どうか助けて下さい!」と許しを求めます。こうして「大国主」は出雲に、「事代主」は葛城に、「タケミナカタ」は諏訪にと、それぞれ鎮まることになります。
この時の『タケミカズチ』と『タケミナカタ』の力比べは、”相撲の起源” になったとされています。
[神武東征] 大事業の陰の立役者だった
後に初代天皇『神武天皇』となる『神倭伊波礼毘古命』が、新天地『大和』を目指した激しい戦いが『神武東征』です。
熊野で敵の勢力におされて、進退窮まっていたとき、『アマテラス』『タカミムスビ』などの天津神(イワレビコの先祖神)たちが、再度『タケミカズチ』を呼び出し『イワレビコ』を助けに行ってくれないかと命じます。
『タケミカズチ』は「私自ら降りるまでもない。国譲りの際に使った ”神剣” を地上に降ろせば上手くいくだろう」と言い、神剣を『イワレビコ』にむけ降ろします。『イワレビコ』は与えられた神剣を使い、見事に敵を倒し、目的地「大和」へ辿り着きました。
この時の神剣は『布都御魂』とも呼ばれ、現在では ”ご神体” として『石上神宮』に祀られています。
『タケミカズチ』を祀る神社
『鹿島神宮』(茨城県鹿嶋市) ・・・『タケミカズチ』はもともと、この鹿島地域で力を持っていた地方豪族だったとも言われています。
『石上神宮』(奈良県天理市) ・・・神剣『布都御魂』こと『布都御魂大神』を主祭神として祀る神社です。
『春日大社』『春日神社』・・・春日神こと『タケミカズチ』を主祭神として祀る神社です。
部の神様でもある『タケミカズチ』ですから、多くの貴族、武家からの信仰をあつめました。
中でも大貴族である藤原氏の氏神として、篤く崇められました。
地震ナマズを封じる神
古来より『鹿島神宮』のある地域では、地震を引き起こすのは、地下で「巨大なナマズ」が暴れるからだとされていました。そして『タケミカズチ』が ”要石” で「ナマズ」を抑え込んでいると言い伝えられています。
このように『タケミカズチ』は数々の大活躍をしました。だからこそ多くの神社、多くの地域で祀られるようになったんです。非常に格が高い神様です。『配祀』している神社も多くありますので、是非ともご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。
————————————-
日本の神話について分かりやすく解説しています。
凛の『教えて♡神様、仏様!トリビア♪』を見る。
————————————-