夏 北の大地⑥ 室蘭本線『登別・室蘭』

北海道は広大だ。これを地区分けするとすれば、札幌や小樽などの日本海側から、室蘭や苫小牧(とまこまい)などの太平洋側までの南北縦ラインを『道央』と案内する場合が多い。地理的な中央というよりは、行政や経済、人口などが中央集中しているという意味合いが強いように思う。その道央の、特に太平洋沿岸を『胆振(いぶり)地方』と呼ぶのだが、この地は地震や噴火といった地殻活動が盛んで、日本でも有数の温泉地帯でもある。
さて今日は、そんな有名な温泉地のひとつ『登別』(現地の言葉でヌプル・ペッ(ツ):色の濃い川)からスタートする。


長万部と岩見沢を結ぶ『室蘭本線』その途中駅に登別駅がある。駅ホームの名所案内には、有名な観光地や温泉街の名前が並び、賑わいや活気といったイメージを受けるが、実は時代の波の中で、大きな問題を抱えているのだ。

洞爺湖サミットなどで、再び脚光を浴びたのが、既に10年以上前。今、地方都市の過疎化に伴い、地元の足でもある鉄道路線が衰退の一途をたどっている。
ここ登別を走るJR北海道の室蘭本線の一部区間も単独経営が難しい路線として名前が挙がってしまった。
賑わいを見せているのは『旧室蘭駅舎』。
昔の駅舎を利用して今は観光案内所や鉄道関連の展示などの施設として利用されている。
建物自体に歴史的価値があり、現室蘭駅から5分程度の場所にある。


『(現)室蘭駅』は室蘭線の支線(東室蘭駅あたりで本線から枝分かれする)で、駅前には鯨のオブジェが。室蘭近海はイルカやクジラウオッチングのメッカでもある。

駅の売店で販売していた『八千代牧場のビーフスモーク』。オリジナルの香辛料がきいていて、脂っぽくなく、かつジャーキーの様に硬くもない。帯広にある八千代牧場は、“北海道の牧場”と言って思い浮かべるイメージそのままの牧場。なんと東京ドーム210個分の広さ。

室蘭駅から終点長万部駅へ向かう列車に乗る。
途中駅『黄金(こがね)』という駅名に反応したのだが、実際に何で黄金なのか?と思う。

しかし、駅や車窓から望める大海原に目を向ければ、その理由が分かる。

途中駅、『豊浦』

自分が乗っている車両を撮りたくて、席を立つ。


同じく途中駅『大岸駅』

終着駅『長万部』に着くころ。辺りはすっかり夕焼けの静寂につつまれる。

『廃線』、その言葉が示すのは、単に「列車が運行しなくなる」という簡単なものではない。その閉塞感は、ますます街から人を遠ざけ、更に衰退するという悪循環に陥りやすいのだ。

旅好きの私にとって、一度訪れた街を「再び訪問する」ことは良くあるのだが、以前入った食堂、利用した鉄道、再訪を約束した民宿、賑わっていた観光地・・・
これらが姿を消してしまっている状況は、旅をしていて一番切なくなる瞬間である。

そんな状況を変えるべく、少しでも情報を発信して、それを見て1人でも足を運んでくれるなら、この旅も無意味なことではないと改めて思う。

この美味そうな情報を誰かに受け取って欲しい。

スポンサーリンク
ジパング[レンタングル大336*280]

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
ジパング[レンタングル大336*280]
コメントの入力は終了しました。